5歳の時California に引っ越した。
自分の意思じゃない。もちろん転勤。 でも出発前、私は嬉々としていた。母に買って貰った「くまのぷーさん」の英語絵本で勉強していたし、引越しで大忙しの母の苦労など知らず、世界地図を見ながらワクワクしていたのを今でも覚えている。 アメリカに渡ってすぐに楽しい気持ちは吹っ飛んだ。 渡米してすぐにKindergardenに入学することになったのだ。 登校前日。学校下見&面談。大きな、見たこともない、いろんな目の色や髪の色をした大人が全然自分の知らない言葉を話かけてきた。戸惑う私は金髪の中年の女性に手を引かれながら廊下を歩き、そんな私に父と母は手を振って帰っていった。父は出勤前でダークスーツ、母は半袖のワンピースを着ていた。小さな個室に通されて、女の人は優しく話しかけてくれたけど、取り残された恐怖で私はその後ずーっと泣いていた。 「大丈夫、泣かなくていいのよ」 そう言ってくれているのが分かったけど、言葉としては理解できなくて、私はひたすら泣きながら途方に暮れていた。 その半年後、日本語を忘れないようにするために、日本の教育もちゃんと受けておくために、土曜日は補修校へ通うことになった。 入学試験で面接があって、面接官のおじさんが「どんな時、お母さんの事が好きですか?」と私達に聞いた。私の前に質問に答えた3人は全員「優しいとき」と応えた。 最後に私の番。台所にいる母の笑顔が浮かんだ私は「料理を作っているときです!」と応えた。 驚いたおじさんの顔。「何で?」 他の子の視線が私に集中する。 「・・・・え。・・お母さんのご飯はいつもすごく美味しいし、料理してるときは怒られないから・・・です。」 そして面接が終わった。教室を出たら弟達が外で遊んでいた。 元気な声が空に響いていた。 良く晴れた日だった。 そんなドキドキ体験を経て、現地校も、補修校も、無事に入学でき、かちこちに緊張して泣きそうな顔をして家を出たにも関わらず、すぐに馴染んで元気に笑って帰宅していたらしい。 あれからもう20年も経っている。 だけど、本能や性質や性格、あんまり変わってないなぁ(笑)
by zonnebloem
| 2005-09-24 22:05
| monologue
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